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四万十川
9月に高知へ行った。目的であった研修を終え、その後ひとりで四万十市に向かった。 なぜなら、いつ頃からか私の頭の中では、高知県=桂浜=坂本竜馬ではなく、 高知県=四万十川=カヌーという公式ができあがっていて、それを実現したかったのだ。
ネットで調べると「四万十学舎」という廃校になった小学校を利用した宿泊施設でカヌー体験ができることがわかり、予約した。
カヌー体験参加者は、京都から来た大学生2人と私の3人、そして京都で大学時代を過ごし地元に戻ってきたというインストラクターのお兄さん。そもそも、生まれてこの方、逆上がりも、逆立ちも自力で一回もできた事がない超運動オンチの私がカヌーに乗れるか心配だった。最初のうちは、コツがつかめず進行方向と反対向きになってしまうこともあったけど、だんだん操縦できるようになった。大自然の静けさの中で、鳥の羽ばたく音や、水の流れる音を聞きながら川の真ん中をゆったりと下っていく気分は最高!慣れてくると、岩と岩の間を通り抜けたり、沈下橋の下をくぐったり、チャプチャプと流れの早いところのスリルも楽しめるようになった。
宿泊したのは、小学校の放送室。隣の保健室と校長室にも宿泊客がいた。普通の教室には2段ベットがいくつか置かれていた。朝食には宿泊されていた方が、早朝、川で釣った魚を宿の人がから揚げにしてくれて、おいしくいただいた。学校の図書室からの眺めもすばらしく、校庭には簡易なツリーハウスがありそこで景色を眺めながら好きな音楽を聴いた。
そんな楽しい思い出の他にも、心に残ったことがある。
高知の中心部から2泊目の宿に向かうときに利用したマイクロバスの運転手さんは、交通費がかかるから息子は高校に2時間かけて自転車で通ったと話していた。高知の中心部からそのあたりまでバス代は1600円以上。1日3000円以上のバス代は、高いが、往復4時間3年間の自転車通学たいへんだっただろう。
四万十学舎の近くで、声をかけてくれた乳母車を押して歩いていたおばあさんは、高知県外に出たことが人生で2回しかない、自分は大病を患ったけど2度も助かり運がいい、そんな私の運をあなたにも分けてあげると言って手作りのお手玉と毬をくれた。
インストラクターのお兄さんが駅まで送ってくれて、2人でカツ丼を食べながら話をした。小学校は6校がひとつになり、子ども達は今、バスで通学している。保育所はほとんどない。夏はカヌーのインストラクター、冬は林業をしている。冬も四万十の自然を満喫してもらえるように山の中にマウンテンバイクのコースを作りたいと四万十の自然の魅力を熱く語ってくれた。
廃校になった学校の廊下には、学校が創立したときからの卒業生の写真が掲示されていた。閉校する年は女の子が一人だけ。私と同じ年の卒業生は、すでに10人より少なかった。この人たちは、今どうしているのか。
同じ日本の中でも、住むところによって色々な差がうまれる。それぞれの価値をうまく活用し、交流、交換することでその差にプラスの意味を見出すことができるのではないか。そうでなければここに暮らす人がいなくなってしまう・・・・・・
今流行のピケティを読めば、何かヒントになることが書かれているのだろうか。
療育ひろば 市原真理
日時 2015年02月07日 01:58 |
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