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蜘蛛のおでかけ
8月後半くらいのことだっただろうか。家の外のインターホンのところに蜘蛛の巣が張っていることに気が付いた。玄関に蜘蛛の巣が張っているなんて、いかにも掃除が行き届いていない家って感じだから本来はすぐに蜘蛛の巣をとってしまうのだろうが、その時は、仕事から帰ってきたところだったし、蜘蛛も蜘蛛の巣の中央にいたので、まあいいかと見過ごしていた。次の日の朝、出かける時にもう一度蜘蛛の巣を見ると、蜘蛛はいなくなっていた。 ところが、その晩また帰宅した時には、蜘蛛は蜘蛛の巣に戻ってきていたのだ。そこでふと疑問に思った。
「蜘蛛は昼間どこに行っているのだろう」 「どこかに出かけたとしても、同じドアが何軒も続くマンションの205号室にどうやって、何を手掛かりに戻ってくるのだろう」 「そもそも、蜘蛛は獲物を捕るために巣を張っているのにどこかに出かける必要あるのかな」と。
そこから私の蜘蛛観察が始まった。どうやら出勤時間は私より、うんと早いようで、私が出勤する時にはすでにいなくなっている。帰宅時間はわたしより大抵はやい。でも、時々帰宅が遅い日がある。「今日は、夜遊びか?」などと思っていると、次の日はまた、ちゃんと帰宅している。観察し始めると、不思議なもので蜘蛛に愛着がわき、巣にかえってきていると今日も無事でよかったとなんだか安心していた。
日常に起こる様々なことも事実は事実としてあるけれど、自分がその時どんな視点でみているかが、その後の行動や感情、精神状態に影響を及ぼしている。けれど自分の捉え方しか自分にはわからないから、ついつい 自分が見ている世界がすべてだと思ってしまう。いつもの自分の視点からちょっとズラしてみることができたら、実はいろいろな発見があるのだろう。
蜘蛛観察生活は、1か月以上続き、10月に入って急に涼しくなった日を境に蜘蛛は巣に帰ってこなくなった。「蜘蛛は、寒さに弱いのかな。そろそろ蜘蛛の巣を除去するか…」と思っていた矢先、なんと10日ぶりくらいに蜘蛛がまた巣に帰ってきていた。「えっ遠出していただけやったん?小旅行?お気楽やなぁ」と心の中でつぶやき、蜘蛛観察生活は継続している。蜘蛛の習性をウキペディアで調べてみたが、朝出掛けて夜帰ってくるとはどこにも書いていなかった。一度蜘蛛のお出掛けを尾行してみたいものだ。 まるんなひろば 市原
日時 2023年10月13日 22:29 |
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