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街の匂い
自転車通勤を初めて2年と数カ月が過ぎた。だいたいの道は通ってみたし、良さそうなカフェや、パンやさんも見つけた。でも、あきっぽい私は、毎日通る道にちょっと飽きてきた。そこで、最近新しい楽しみ方をみつけた。それは、匂い。
朝、家の近くにある五色豆の豆政からは、毎日ではないが、豆の香ばしくて甘い匂いがしてくる。西へ向かうと鰹節の匂い。最初は、おだしを作っているのかと思っていたが、匂いのもとをたどると鰹節の会社があった。鰹節の香りは、かなり広範囲に漂っている。烏丸通りと室町通りには、お香のお店がある。一瞬通り過ぎるだけでも、心落ち着く高貴な香りが楽しめる。下立売を西へ向かうと、初夏の頃お寺に咲く白い花の香りがさわやかだ。真夏は、夜に二条城のお堀側や、御所の横を通りすぎるとひんやりした空気とともに葉っぱの匂いがしてきて少しだけ森林浴気分。
不思議なのは、匂いとともにふっとその匂いと似た匂いをかいだときの光景や感情を思い出すことだ。節分の豆まき、おばあちゃんが作ってくれた土瓶蒸し、尾瀬の木道を歩いた時のこと、縄文杉の根元で食べた玄米おにぎり・・・匂いで思い出のスイッチが入る。良い記憶というのは、常に持ち歩けて荷物にならない宝物だ。時には自分が全く忘れていたことを思い出すこともある。
明日は、どんな匂いから自分の中の何を見つけるだろう。 (療育ひろば 市原 真理)
日時 2014年08月01日 23:20 |
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