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アンテナ
私は、“新しいもの”に興味がある。 新発売と書いてあると、つい試してみたくなる。家電量販店も、新刊書コーナーも好き。 そして、一日にひとつは、“新しいこと”をしてみようと思っている・・・と言っても、たいしたことではない。
例えば、いつもの梅おにぎりではなく、おにぎりの棚からまだ食べたことのないおにぎりを選んでみるとか、帰り道にいつも通る道ではなく、思いつきで曲がってみて、知らない道を通るというようなちょっとしたこと。未知のものを知る喜びと、「選択と決断」(大げさだが)の機会を増やすことで、自分の中の選択肢が増えることがうれしい。
そんな日常の中で、最近気付いたことがある。
今年初めて、ある映画館の会員になった(これは、“新しいこと”をする年間を通しての取り組み)。そうすると、映画館からニュースが届いたり、気になった映画をネットで調べたりと、「会員になる」というひとつの行動をしたことによって、映画に関する情報が自分に入ってくるようになる。でも、このような情報の取り入れ方にちょっと違和感を感じた。私が今よりも、もう少し映画を見ていた頃は、「ぴあ」とか「Lmagazine」というような情報誌が全盛の時期だった。映画を見に行く目的でページをめくっているうちに「この展覧会おもしろそう」と行き先が変わることもよくあり、自分では思いつかない意外なものを発見できた。ネットの普及により、情報誌が次々と廃刊になり、スマホがそれに代わるアイテムになった今は、情報を得ようとする時に、自分の意図と検索したい事柄を持っていることが前提になる。情報量は増えたが、「検索」から“たまたま的発見”は、生まれにくい。ひとつの情報について詳しく調べることは、容易になったが、周辺の異なるジャンルの情報は、逆に見えにくくなっている。便利な道具を持つことで、かえって間口が狭くなっていることがある。
東京タワーの時代が終わり、スカイツリーになったように、情報量が多くなって、アンテナの感度をあげないと拾えない情報も増えてきているということなのかもしれない。そのアンテナとは、聞く、見る、感じる、歩く、手を動かすなど自分の体を通して情報を得ることの蓄積によって作るアンテナである。最初に「何を選択肢とするか」を決めるのは自分だから。
アンテナの感度をあげるにはどうしたらいいか・・・私の場合は、心とからだが健康であるという基本的なことにあると、久しぶりにぎっくり腰になり、歩くのも、座り続けるのもつらい状況になってしみじみと思った。(療育ひろば 市原 真理)
日時 2013年03月01日 11:01 |
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