★★★ アドバイス ★★★
あなたはもう何年、潰瘍の薬を飲んでおられますか?潰瘍の薬をやめると再発する方がほとんどです。しかしヘリコバクターピロリ菌の除菌療法に成功すると、潰瘍の方の約9割の方が再発しません。潰瘍治療でまず考えることは、ピロリ菌除菌療法なのです。
このピロリ菌は胃炎をおこします。胃炎が長期に続くと、胃の粘膜は萎縮や腸上皮化生という変化を起こしてきます。この状態を萎縮性胃炎というのですが、胃癌の前癌状態と考えられています。日本人に多い胃癌の原因としてこのピロリ菌が注目されています。ピロリ菌の除菌によって、胃粘膜の萎縮や腸上皮化生の進行が防止できるか、またその延長線上あるとされる胃癌の発生が予防できるかのかどうか、研究がすすめられています。
(京都民医連第二中央病院・寺尾秀一《消化器内科》)
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