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◆ひゅうまん京都

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編集長の毒吐録

☆2019/8/22更新☆

<無言館&俳句弾圧不忘の碑への旅(全❹回)>  ❷目を閉じ、妄想に入る。頭の中で戦時中に戻る。画学生たちの蛍は、土へと返っていった。もう命の鼓動は聞こえない。目を開けてみる。彼らが描いた絵がある。それは、無言館に置かれている。「国家」に翻弄された画学生の作品は、「国家」とは何にかを僕に問いかける。

もっともっと描きたかったろうに・・。作品は稚拙かもしれない。未熟かもしれない。そうであればあるほど、その無念や悔しさが、作品からにじみ出ているようだった。あまりに悲しい。嗚咽を抑えて鑑賞した。彼らに、「戦争」とは無縁の時代に生きて、作品に向き合って欲しかった。

22歳の作家は、妹も、妻もなかったのかもしれない。だから、大好きな祖母の絵を描いたのだろうか。大切な孫を戦争にとられてしまう悲しみを、「お国のために」というヒロイズムに隠して、送り出したのだろうか。おばあちゃんをモデルした絵があった。作者が「兵隊に行ってしまったらばあちゃんのことも描けなくなってしまうから今のうちに描いておく」と言うと、祖母は涙を流し黙って絵のモデルになったと解説は言う。孫の絵のモデルとなった祖母が絵から出てきそうだ。

 出征を前にした兄に頼まれてモデルになった妹たちの心の中はいかばかりか・・。妻の絵を描いたものも数多くあり、戦地に出向く前の夫のキャンバスの前で、若き妻はどう思っていたか。二度と帰ってこなかった夫との間にできた子ども育てあげた妻もいただろう。自分のポートレートを残した夫の一筆一筆は、彼女がつらさに立ち向かう勇気をくれただろう。

これらの作品、長年、遺族の手で保存され、無言館の開館に合わせて寄付をされたものという。無言館の外には、画家たちの名前を刻んだ大きなパレットがあった。(❸へ続く)

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