福祉広場イラスト 福祉広場目次へ

最新更新ページ


◆ひゅうまん京都

◆ひゅうまん京都


編集長の毒吐録

☆2018/12/11更新☆

【読書雑記497】『ヒロシマ・パラドクス 戦後日本の反核と人道意識』(根本雅也、勉誠出版、3200円+税)。著者は強調する。原爆は「人類」の上ではなく、ひとりひとりの人間の上に落ちた、と。なぜ、どうして、原爆の「経験」を「継承」しなければならないのか。当事者は、どんな苦しみを抱えて、戦後を生きぬいたのか。広島への原爆投下が、人類すべての過ちとして、普遍化されていく歴史的・社会的背景を追い、戦後の日本と広島がかかえる「核」をめぐる矛盾を問い直す書。体験者の痛みと悲しみ、怒りの声をすくいあげ、戦後日本が抱え込んだ矛盾を問う。


「平和式典」は今までは年中行事となった。「記憶の継承」が重要で、同じような言葉には問題はないという意見がある。ならば、人道主義的な言説や行為が、暴力を容認することにつながっているとしたらどうか。著者は、広島への原爆投下とその惨状をめぐる言説を検証し、問題の核心に「ヒロシマの普遍主義」があると説く。

一つは、広島こそが原爆の記憶を語り継ぐにふさわしいとする地域主義。二つ目は、人類を救うために国境や民族を超える必要があるという人道主義的な振舞いだ。本書によると、平和運動に見られる普遍主義や人道主義には、様々な「副作用」も潜んでいるという。

重要なのは、「人類という立場」が強調された結果、米国の投下責任や日本の戦争責任が不問にされ、反核運動が非政治化したことである。事実、広島市では政治的立場を超えた平和施策が合言葉となり、「祈りの場」とされた平和記念公園から政治運動は排除された。

この動きは、「被爆体験の継承」のあり方にも影響した。被爆者の語りを通じて原爆に対峙し、その意味を問う批判的行為としての「継承」ではなく、画一化された語りを受け入れる「継承」が一般化した。それは結果的に被爆者の肉声を遠ざけた。

バックナンバーはこちら

 
福祉にまつわる怒り、ほのぼの、なるほどがいっぱいつまったウエブマガジン
 ひゅうまん京都の表紙絵からとびだしました
  渡辺あふる美術館
 自然の息吹が写真と 
  「北の大地―幌内原野」から
   子どもたちの愛らしい笑顔 
 
今日の風景

戌いろいろ
(写真・文 スタッフ。クリックしてみてください)

困ったときは…
福祉なんでも相談
給食のプロが作るレシピ集

    乳幼児が大喜び
乳幼児レシピ
    おいしい治療食への招待
治療食レシピ

最新更新ページ
福祉川柳道場破り どっちもドッチ
フリートーク

 


●発行元/NPO法人福祉広場
〒603-8324 京都市北区北野紅梅町85
弥生マンション内
First drafted 1.5.2001 Copy right(c)NPO法人福祉広場
福祉広場ロゴ小  目次へ