編集長の毒吐録
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☆2020/5/22更新☆

【読書雑記638】『ソーシャルワーカー 「身近」を革命する人たち』 (井手英策・ 柏木一惠・加藤忠相・中島康晴、ちくま新書、820円+税)。将来を不安視し、貧しさも「自己の努力が不足している」とされる今の日本を僕らは見ている。この社会を身近なところから変えていくのがソーシャルワーカーの仕事だ。彼らは、「困りごと」に向き合う。何が問題か、ソーシャルワークとは何か、どうすればいいのかを、ソーシャルワークの第一人者と研究者が示す。

ソーシャルワーカーという職種は、知名度が低い。ソーシャルワーカーは、社会福祉士、精神保健福祉士の国家資格を持つ人を指す。

ソーシャルワーカーは「名称独占」つまり、社会福祉士などの資格を持つ人だけが名乗れるものだが、その資格を持つ人だけが仕事に携われるという「業務独占」ではない。例え資格がなくとも、誰でもソーシャルワークは行える。コロナ禍で喘ぎ、経済的にも苦しくなり、さらには少子高齢化に喘ぐ国民。弱った時こそお互い助け合わなくてはいけないが、ソーシャルワークはその模範になる。上述の、誰でもできる、いうソーシャルワークの特徴がここで生きてくる。

個人と地域社会の間で社会の問題を考えるとき、課題が見えてくる。日本人は他者に無関心・冷淡な人が多いと言われる。特に都会ではその傾向が強い。しかし、人は一人では生きられないし、コロナ禍で明らかになったように、社会との関わりを無意識に欲している。ソーシャルワークの教え・考えが広まれば、住み良い社会になるかもしれない。

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