編集長の毒吐録
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☆2020/8/7更新☆

【読書雑記660】『新版 海のいる風景 重症心身障害のある子どもの親であるということ』(児玉真美、生活書院、1600円+税)。著者は、「重い障害のある子どもの親である」という事実と向き合い、引き受ける様子を描く。好著。

最後の方の、わが子が入っている施設で、保護者としての講演するのだが、それはリアルで職員も保護者も感動する。見事な講演の記録、感動ものだった。誰よりも優秀な娘の代弁者だと信じ疑うことが著者だが、その一方、施設に入れていることの「罪悪感」を引きずってきた彼女が、事件(アシュリー事件。『アシュリー事件』〈生活書院〉と言う児玉真美の著作がある)と出会うことによって突きつけられた「子の権利と親の権利の相克」を、自分の中の痛みのありかと向き合い論じた「十年の後―新版刊行によせて」が冒頭に置かれている。

十年の後──新版刊行によせて/ケアラー連盟(現・日本ケアラー連盟)設立1周年記念フォーラムにて/プロローグ てっちゃん家(ち)の話/週末の親子/いのち/「不思議の国」/なんか、ヘン/善意は厄介なのだ/田舎の優等生/母子入園/親バカと世間サマ/車椅子入店拒否事件/病院は娑婆にあらず……?/美しいウソ/迷い/決断/子育ての「四大苦」/私はただの無になった/あすなろ療育園/追い詰めるのは誰?/言葉を持たないということ/私は「半人前」でしかない/うちらの子/「受容」は続く/闘い/研修会にて/その夜/気がついたら、いつの間にか

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