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☆2020/8/4更新☆
【読書雑記659】『日本の最終講義』 (鈴木大拙・宇野弘蔵・大塚久雄・桑原武夫・貝塚 茂樹・清水幾太郎・遠山啓・中村元・芦原義信・土居健郎・家永三郎その他12人、角川書店、4500円+税)。学問への真摯な思いと探究心。日本を代表する「知の巨人」23人の言葉がみがえる。彼らが歩んだ道の一端が分かる。
掲載は、その講義が行われた年代順になっている。玉石混交の最終講義集。加藤周一のものは、『最終講義』(加藤周一、かもがわ出版、2000円+税)をまとめたもの。加藤の語りには、彼独特の「脱線」があるが、それは、「脱線の妙」を遺憾なく示している。『日本霊異記』とマルクス主義を語るとか、法然、親鸞と『資本論』を同時に論じるとか・・。魅力一杯の著作。
<マルクス主義が豊富で鋭いのは資本主義社会の分析です。いま日本社会は、市場経済万能論と民営化論で、ある意味でだんだん純粋資本主義に近くなってきているでしょう。それを理解するためにマルクス主義は非常に有効ですよ><厳密に言えば、科学的命題とは、これは間違っているということのできるような命題の一種なんです。すべてこれは間違いであると言うことのできる命題の集合は科学的命題の集合であるとは言えないけれど、科学的命題というのはすべて、それは間違っているということを、観察できる事実によって言えるような命題の集合です>
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