☆2023/8/29更新☆
WEB福祉広場編集長井上吉郎が亡くなって早1年が経ちます。急激な体調の悪化に、思いもよらず早い命の終わりを迎え、やり残したことや心残りがたくさんあったと思われます。その中でも編集長として自らも毎日発信してきたWEB福祉広場のことが一番心残りであったのではないかと推察します。たくさんの方に読んでいただいていた「毒吐録」は、情勢の問題点を的確にとらえた批判や、車いすユーザーとして、障害を持ちながらの幅広い活動のなかで体験した社会の矛盾についても発信してきました。しかし、もっと心を寄せてきたのは、WEB福祉広場に投稿してくださる多彩な書き手の皆さんへの尊敬の気持ちでした。数多くの様々な分野での専門家の連載は素晴らしい内容で、今でも光り輝いています。最後まで毎月の更新を担ってくださった方々には大きな感謝を申し上げます。
編集長としてWEBマガジンを運営し始めたころは、今から20年ぐらい前、まだまだ紙媒体が主流でした。目の付け所はとても新しかったと思います。さらに思うように身体が動かせなくなってからは、パソコンが最強のツールとなりました。自在に動く左手の人差し指一本で、考えを文字にして世界に発信でき、多くの方とつながることができました。毎週月曜日のあさ、北野白梅町で始めた無言宣伝は一人で始めたパフォーマンスでしたが、それも白梅町にとどまらさずに、写真と文章を添えて「毒吐録」にアップすることで、多くの人に発信することができたのはオンラインのおかげです。自分にとっても、社会に対しても、「そのことをよく知っている人」にとっても、大切な発信ツールであったといまさらながら思います。
残念ですが、亡くなって1年を迎え、一つの区切りを考えました。新しい情報を更新することはできませんが、これまで蓄積されたものは、いつでも皆さんに読んでいただけます。磨き上げ、積み重ねてきた人々の営みの宝ものを大切にしていきたいと思います。 長い間のお力添えありがとうございました。 池添 素
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